着物生地がセンス良すぎる件★

おはようございます^^
 
ATELIER NUの柴山です。
  
  
教室に時々問合せいただくのが、
『着物のリメイクってできますか?』
というお話し。
 
 
できます。


  
着物生地というのは、ファッションをアートまで昇華させた
世界基準のものだと思います。
 
 
柴山、たまに難しいことをいいます(-_-)
 
 
着物生地のハギレが美しくって、このまま捨てるのはもったいない。
 
なんとか、何かの作品にして使えないものだろうか?と思う方も
多いのではないでしょうか?
 
 
世界各地に織物や民族衣装は数あれど、細部まで目を凝らしたときに
着物地ほどクオリティーの高いものはありません。
 


※クリエイターズハウスさんの1階では、
センスのいい伊佐治オーナーによる、着物生地のリメイクアイテムもおいてあります。
この生地はその商品の写真です。

 
このオレンジの部分も、プリントではなく、織で表現しているのです。
 
そしてこの細かな点の一つ一つが織り目であり
「この部分は縦糸が表に出る」
「この部分は横糸が表に出る」
 
そのように、しっかりと図案が考慮されて、そのとおりに作られているんです。
 
織っていたら、なんとなくこんな柄になっていた・・というわけじゃないんです。
 
はじめにしっかり計算されています。
 
織物や編み物をされる方は想像がしやすいと思いますが
一目ずれると、全部柄が崩れますよね。
 
 
テキスタイルデザインというのは、そのように升目の構成で
デザインを作っていきます。
 
これを、数百年前の機械が発達していない時期から
手仕事で作っていたというのは驚きです。
 
 
この細部にわたる、描写や構図の美しさ、
丁寧な仕事によるクオリティーの高さは
同時期の世界のテキスタイルの中でも、トップです。
 
 
 
はじめに「ファッションをアートまで昇華させた」といいましたが
実際に、1800年代後半のヨーロッパ芸術革命(アールヌーボー)の
立役者は『ジャポニスム』でした。
 
 
ジャポニスム』というのは、フランス語で「日本趣味」のことです。
英語ですとジャポニズムですね。

たとえば、エミール・ガレのこの作品などは、ジャポニズムの影響が
はっきりと表れています。

 
 
当時、薔薇やぶどうなど、アールヌーボー以前の作品で
モチーフのもととなる対象物は、比較的限定されていました。
 
ところが、日本の鎖国が解け、
浮世絵や着物などが、海外に大量に流出すると
その美しさは、たちまち世界でブームとなりました。
 
その影響を『ジャポニズム』とよんでいます。
 
 
エミール・ガレなども、ぶどうやバラなどのフランスを連想させるモチーフに
野花や菊の花、さかな、トンボなど和テイストのモチーフを
合わせて表現し、独自の世界観を作り出しています。
 
 
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浮世絵の構図は世界に衝撃を与えました。
 
中華であってもヨーロッパであっても、油絵などで余白をすべて埋め尽くすのが、絵画の完成であるというのは、常識でした。
 
 
ところが、日本には『余白の美』という美感覚が存在します。
 


たとえば、この空の部分。
紙の地色を活かして、”抜き”を作っています。
 
余白の作り方にこそ、洗練された美感覚がある。
というこの新しい「美」の基準は、世界から見て新しい価値観でしたが
誰の目から見ても、クオリティが高く、美しいと感じるものでした。
 
 

 
浮世絵の構図や、背景の省略技法。
グラフィカルな図案と、リアリティーを追求した人物像の組み合わせなど
これらは日本の芸術にインスパイヤされたものです。
 
それまでのヨーロッパの芸術の主流は、みたままを描く写実画でした。
 
 
多くの天才たちが、日本の文化に触れることで
大きなインスピレーションを持ったことがうかがい知れます。


有名な、ゴッホ、モネなどはさらにわかりやすく日本の影響をうけています(笑)


 
 
海外からみて、日本の文化はクオリティーが高く
たとえ文化が違ったとしても伝わる美しさをもっていました。 
 
 
ちょうど、アールヌーボーが起こった1890年代〜1910年ごろの
世界情勢は、1914年に第一次世界大戦がおきるという
緊張感に向かっていっている時期です。
 
急激にイギリスを中心に発展した工業と、産業革命により
人々の生活は大幅に変わりましたが、
相変わらず芸術は、貴族や王族などの階級を含む一部の人のぜいたく品でした。
 
 
ですが、その時日本は、平和な江戸時代(1600年〜1867年)が終わり
明治時代に入っています。
この平和な期間に、人々の文化は大幅に向上しました。

  
浮世絵の漫画も春画もあり、人々にとって絵も着物も、日用品でした。
うんこなども、適切に処理するリサイクルシステムや、人工島などでのごみ処分など含め、世界最高の衛生インフラが整っていました。
 
 
実際、フランスはうんこの処理ができなかったため、うんこを踏まぬよう「ハイヒール」が生まれ、匂いを消すため香水が誕生しました。
下水システムが一般家庭まで配備されたのは、ずっと後のことです。 
 
 
華道、茶道など、「道」となるほど磨き上げられた芸が、日常の中に存在し
季節を感じ部屋の掛け軸をかえ、季節に合わせ陶器を選ぶ。
 
そういった文化が、ヨーロッパに比べ、はるかに下流階級の人々にまで
いきわたっていました。
それは、江戸時代の約265年の平安が成し遂げたものだったのだと思います。
 
芸術に触れる機会が、当たり前のように大衆にもあり
歌舞伎や能に触れる機会もありました。
 
 
平和が続くので、
「あぁ季節が変わったから、食卓の切り花を変えようか」
「お客様がくるから、床の間の掛け軸を秋らしくしよう」
とか考える心になるのでしょう。
 
 
文化や美意識、品格というのはそういうところから育つのだと思います。 

 
 
「道」といえるほどの、文化クオリティを新しくつくることもできます。
 
 
あの時、日本が世界に与えた「ジャポニズム」の衝撃こそが
世界が日本にどこか期待する所以なのでしょう。
 
 
これからが楽しみですね。


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